フランネルを作ったミル、英国のフォックスブラザーズのトークショー内容をほぼ全てお届けします。

フランネルを作ったミル、英国のフォックスブラザーズのトークショー内容をほぼ全てお届けします。

つい昨日のことですが、世界で初めてフランネルを開発したイギリスのフォックスブラザーズ社、現社長ダグラス・コルドー氏が大阪でテーラー向けのトークショーを行われたので、その模様をほぼ全てお届けいたします。

国内の生地商「マルキシ」様主催で行われた今回のトークショーは、東京、大阪と2会場で行われ、我々は大阪会場へお声掛けいただき参加させていただきました。

フォックスブラザーズ社、現社長のダグラス・ゴルドー氏から直接お話を伺える貴重な機会ですので、そのトークショー内容をほぼ全てメモに記録してきましたので、少し長くなりますが皆さまにもご共有させていただきます。

もう少しで創業250年!英国を代表するミルフォックスブラザーズ

同社は1772年に創業し、もう少しで250周年のメモリアルイヤーを迎えるそうです。
ただし、記録によると1620年の記述もあり近隣の大学と現在、連携して調べているということ。

古い記録によると軍服に使用されるサージ生地をよく生産していたそうで、その当時イギリス国内のミルではサージを作っており、それから徐々に起毛を作るようになりそれがフランネルに繋がっていったそうです。

フランネルの誕生は創業の翌年、1773年に誕生し現在の同社のグレーフランネルに近い物となっています。これは現在もレシピはほぼ変わっていないそうです。1910年に最盛期を迎え従業員は最大で5,000人に。現在もイングランド南西部ののサマセットのウェリントンに本社を構えています。

同社の最も有名な生地、フランネルは1950年代まで商標を持っており、それを手放した理由は当時の経営者が投資などに走り、手放してしまったのではないかとのことです。
しかしながら、1930年代には輸出が難しい時代にアメリカにも生地を輸出していたという記録があり、それは素晴らしいことであるし誇りに思っていると、コルドー氏はおっしゃってました。

世界のウェルドレッサー(洒落者)に愛されるフォックスブラザーズ

そのため、世界のウェルドレッサー(洒落者)にも愛され、王冠を賭けた恋と知られ、イギリス国王を325日で退位したウィンザー公はフランネルを愛し、こちらの写真は特にソフトテーラーリングで美しい仕立てに仕上がっています。

英国元首相チャーチル氏もその一人、サヴィルロウのヘンリプールでよく仕立てていたそうで、こちらは戦時中の宣伝写真となっています。実はこの写真は新聞社によって加工してあり、バックには戦車隊を率いた写真であったそうです。

こちらの写真で着用されている1890年代から生産されているチョークストライプは現在も同じものが生産され、ヘンリープールでは敬意を持って現在も取り扱われているそうです。

続いてケーリーグラント氏、スタイリストが存在しない時代にこのファッションセンスは素晴らしいの一言。
優雅なスタイリングでこの色気と上品さの同居は素敵ですね。

コルドー氏が今回紹介する写真でもっとも好きだと紹介をしたデヴィッドボウイ氏

こちらは彼がドイツに滞在していた時代の写真で、サヴィルロウに行きつけの仕立て屋があったので、てっきりそちらの仕立てだと思っていたところ、実はアルマーニで仕立てたダブルブレスとのスーツだったとのこと。
コルドー氏お気に入りの一枚とのこと。ちなみに当店加藤も大ファンのため、ぐぐぐっとテンションが上がりました。

こちらは007スペクターで新Mを演じられたレイフファインズ氏
こちらはサヴィルロウのティモシーエベレスト製とのこと。ハリーポッターにも出演されているので、そちらでもご存知の方も多いかもしれません。
ちなみにダニエルクレイグ氏が演ずるボンドはタイトフィットでトムフォード製?と首をかしげながら笑っておられました。

続いてこちらは、左から2番目が007ジェームズボンド時代のショーンコネリー氏と、左から3番目の方は原作者であるイアンフレミング氏。フレミング氏がフォックスストライプを着用しております。

このように007シリーズと密接な関係にあり、現在でもオリエント急行殺人事件や、パディントンシリーズなどにフォックスブラザーズの生地が使用されています。

最後にハケットロンドンの創業者でありジェレミーハケット氏
自社以外のスーツも着用されているそうで、友人関係でもあるコルドー氏は同じテーラーでお仕立てしていたりとするそうです。

現社長であるダグラスコルドー氏の経歴をご紹介

10年前にフォックスブラザーズ社に就任し、その当時はかなりの赤字経営であり3日就任が遅れたら倒産していたとのこと。それほど経営状況が悪かったそうです。

生地工場の経営は難しく、生地を愛していない出来ない。とおっしゃっていました。

コルドー氏は洋服好きで、イギリスの大手ジーンズメーカー「ペペジーンズ」でテキスタイルデザイナーをされていたそうです。
そしてご自身の年齢が上がっていき、11年ほど前に前述のハケット氏とランチをしながらどこかライセンスブランドをさせてくれるところを相談していたところ、ハケット氏からフォックスブラザーズ社を紹介されますが。。。。
ハケット氏は「でも、織物工場を買うのだけはやめておいたほうが良い。。。」アドバイスされたそうです。

そこで登場するのが、現在の共同経営者であるデボラメイデン氏。
メイデン氏はTV番組に登場する投資家として、イギリス国内では知らないものがいないほどの知名度であり、偶然フォックス社の隣町出身ということもあり、個人的に付き合いがあったコルドー氏と共に同社を訪れた際に、この会社を我々がやる必要があると直感めいたものがあり、共同経営をスタートしたそうです。
*ちなみにメイデン氏は「ドラゴンズデン」という日本では「マネーの虎」というライセンス契約元の同じ内容のTV番組に出演されて有名な方だそうです。

そして経営スタートの1年目はまさに地獄を見たというコルドー氏。毎日、帰りの車の中でなんで生地工場など買ってしまったんだ。と、泣きたくなるような毎日だったそうです。

そして、就任2年目にミラノの展示会に出展した際、キートンの当時の社長であるアントニオディマラウス氏から「君は生地界のロールスロイスを所有しているんだよ!」と励まされたことから、色々なことが吹っ切れ、そこがターニングポイントだった。と振り返っています。

現在では、赤字企業から黒字へ。買収当初より売り上げは3倍となったそうです。

現在でも前進し続けるフォックスブラザーズ

現在9台の織機を使用し、生地を織りあげているが2台追加して11台の織機で生地を織りあげていく予定だそうです。従業員は18人から30人に増やし、生産を上げていくそうです。

生地は経糸から生成されるので、こちらの作業から始まります。後から緯糸を入れるため、そこで初めて生地が出来上がります。経糸を織り上げるには7~8時間かかるそうです。
およそ2500本の経糸が使用され、すべて人間の手で行われているそうです。ちなみにイタリアでは機械が使用されるとのこと。

フォックス社ではアリソンさんという女性がこの作業を行われているそうで、彼女の家族は4世代にも渡ってフォックス社で働いているとのこと(!)一度、試験的に機械を使って経糸を通してみたところ、驚くことに機械よりもアリソンさんの方が素早く、ミスが少なかったとのことです。。。神業。。。

生地の幅としておおよそ150センチのダブル幅で織り上げられることが多いのですが、フランネルは縮んでしまうため少し大きく織り上げるそうです。

一反(50メーター)を織り上げるのに5時間かかり、スピードを上げるために1分で600本まで織り上げることが可能なところ、糸に負担をかけ過ぎないよう1分に300本までにし、ゆっくりと織り上げているそうです。

糸が切れたりするとドロッパーという装置が働き緊急停止し、そこから人間の手で修正をして織り上げているそうです。機械式とはいえ、人間の手がかなり入っていることが分かりさらに生地に愛着が湧く我々。

こちらがメンディングという作業で、織り上げり後に生地を一つ一つチェックしていっているところ。
この作業は手作業で行われこれが非常に大変だそう。2.5時間~10時間かけて直し、補修箇所は裏に逃がしたりすることによって修正するそうです。

こちらがフォックス社のショールーム。コルドー氏はこの日は散らかっているけれどいつもはもっと綺麗だよとのこと。

創業から100冊以上のバンチ(生地帳)があり、昔のデザインからインスピレーションを得ることは多々あるそうです。
250年近く歴史があると、売上帳などを含めると500冊以上の資料があり、すべてが貴重な資料となるそうです。

愛車はランドローバーでディフェンダーに乗り、こちらは会社を置くサマセットの緑が豊かで雨が多く、雪も多い土地では非常に実用的だそうです。イギリスではナンバープレートを自由に申請でき、今では変わってしまったもののFOXと入れていたそうです笑

愛犬のブーはレースドッグの犬種で草原で離すと2時間は帰ってこないんだと笑っていました。
まさにカントリージェントルマンなコルドー氏でした。

現在では今までにアクセサリーや、バッグなどの販売もスタートし、ショールームへはカントリーハウスに使う生地を買うために現地のご婦人たちもよく来られるので、ぜひ皆さんも遊びにいらしてくださいとのことでした。

時間を大幅に延長し最後のQ&Aコーナー

ここまでで本編は終わり、最後にQ&Aのコーナーとなりました。

Q)経営の立て直しはどこから?

A)第一は生地工場という経営を理解することからスタートし、それから日本のやり方や経営なども参考にした。いま思うのは取引先や従業員とのコミュニケーションが少なかったので、とにかくコミュニケーションを増やしたこと。

Q)英国では日本の織機が使われていることもあると伺いますが、これから御社で日本の織機を使用されるご予定などはありますか?また現在すでに使用されていますか?

こちらは弊社の加藤から。

A)今まで使用をしてきておらず、これからも使用する予定はありません。しかしながたデニムなど、日本が得意とする織機などもあるのでまた考えてみたい。現在はベルギー製の織機を使用し、これは今まで使用してきており、織機の種類を全体的に合わせることによってメンテナンスの容易さも考えて使用しています。

Q)日本の男性にすすめたいワードローブをつ教えてください。また日本の夏におすすめな生地はありますか?

A)1つめに、チョークストライプのダブルブレステッドスーツ。こちらはボンドも着用しぜひオススメです。2つ目にフランネルの無地を。シワにも強いのでこちらもぜひ。3つ目にはデイリーに使えるウーステッドのビジネススーツ、4つ目には週末用にハリスツイードですね。*時間の都合で4つだけでした。
日本の暑い夏には来年か再来年に日本にご紹介出来ると思いますが、FOXエアという2PLYの平織生地を発売するのでぜひ試してくださいとのことでした。先行でミラノの展示会へ出店したところ非常に好評でした。

以上で1時間半に及んだトークショーは終了し、そのままコルドー氏を囲んで懇親会が行われました。

コルドー氏にご挨拶とお礼を述べた懇親会の様子

皆さんシャンパンを片手にわいわいと懇親会へ、コルドー氏は残念ながら日帰りで東京へ戻られるそうで、大阪の食事は美味しいと聞いていたので残念です。とおっしゃっていました。

当店スタッフとみんなで記念撮影。この写真はコルドー氏のインスタグラムにも載せていただき非常に嬉しかったです。
兵井と上林の2人が21歳という若さでイギリス生地を愛し、ビスポーク職人を目指して修行中ということをお伝えさせていただくと、「それは素晴らしい!これからもぜひ頑張ってください。」と応援していただきました。
またそのスーツは良いね。と弊社のスーツをお褒め頂いたりも。

加藤はジョンフォスターのビンテージ生地、兵井はハリソンズ、上林はポーター&ハーディングという偶然ですがすべてイギリス生地での3人勢です。

若干緊張気味の兵井。フルオーダー職人になって御社の生地でスーツを仕立てます。と話をしていました。

いかかでしたでしょうか。大ボリュームとなりましたが、貴重なトークショーの内容をほぼお伝えさせていただきました。

250年近くの創業の歴史の中で、英国の伝統とも呼べるフォックスブラザーズ社ですが、現在も新しいチャレンジと職人の手による丁寧な手仕事が素晴らしい生地でした。
これからフランネルイギリス生地をご検討の方はぜひフォックスブラザーズ社の生地もご検討くださいね。

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